2021.12.20 健康経営コラム

【健康経営】社員の健康力を上げる「ヘルスリテラシーの向上」とは

健康経営において社員の健康力を上げるためには「ヘルスリテラシーの向上」が鍵となります。

ヘルスリテラシーの高い社員が多い会社は、一人ひとりの健康意識が高く健康状態が良いことから、パフォーマンスが上がり生産性の向上に繋がります。

また、社員の健康意識が高ければ、社員が自発的に健康維持増進に取組み、会社全体としても健康経営をスムーズに進めることができます。

健康経営に必要不可欠なヘルスリテラシーとは、どういったことを意味するのでしょうか。

       

ヘルスリテラシーとは?

ヘルスリテラシーとは、健康に関する正しい知識を得て、理解し、評価し、活用していく力のことです。

WHOでは、「健康を促進および維持するため、情報にアクセスし、理解し、利用するための個人の意欲と能力を決定する認知的および社会的スキル」と定義しています。
(※Health Promotion Glossary, WHO 1998)

世の中は様々な健康関連情報にあふれています。テレビやインターネット、雑誌、さらに周囲の人からの情報など、その時代の流行りも含め健康に関する情報は無数にあります。

そのような様々な情報源の中から自分にとって必要な情報を見つけ、その情報を正しく理解し、それが自分にとって適しているかを見定めて、日常生活の中で活用する力を付けていくこと、それがヘルスリテラシーを身に付けることであり健康を保持するために重要です。

ヘルスリテラシーの高い人は、適切な健康行動をとりやすく、その結果、病気にかかりにくく、病気にかかったとしても重症化しにくいと言われています。

ヘルスリテラシーが低いことの影響

ヘルスリテラシーが低い人は、健康意識が低く、不健康な行動を取り、健康状態の悪化をもたらすことがわかっています。

例えば日頃から生活習慣が乱れていたり、健康診断の結果が悪くても改善につながる行動を取らなかったりする人は、さらに健康を悪化させてしまいます。

職場での影響としては下記のようなことが考えられます。

 ・健康診断やストレスチェックを受けない
 ・健康診断結果に異常があっても再検査、治療を受けない
 ・感染症にかかった可能性があっても無理して出社する
 ・健康イベントなど社内の取組みに参加しない

職場にヘルスリテラシーの低い社員が多ければ、組織全体としての生産性の低下や医療費の増大を招くこととなります。

       

企業のヘルスリテラシーの考え方

ヘルスリテラシーは個人の健康状態だけでなく、周囲の健康にも影響を及ぼします。

ハーバード大学医学部の有名な論文では、「肥満は伝染する」ということがデータで証明されています。

肥満は家族や友人など社会的な繋がりを通じて、高い確率で広がるということが明らかになっているのです。

これは職場内でも同じことが言え、1日で起きている時間の多くの時間を同じ職場で同じメンバーと過ごせば行動パターンも似通ってきます。

ヘルスリテラシーが低い社員が多ければ、その環境に慣れてしまい、肥満につながる食生活だけでなく、喫煙や残業などの仕事スタイルにも影響します。

ヘルスリテラシーを上げるためには、個人単位ではなく職場を健康づくりに適している環境へと導くための職場単位での取り組みも必要となるため、健康経営が重要な役割を担います。

       

ヘルスリテラシー向上は健康経営優良法人の認定要件に

ヘルスリテラシーは、「健康経営優良法人」や「健康経営銘柄」の認定要件となっています。

健康経営を行う上でヘルスリテラシーの向上は、重要な位置づけにあることを指しています。

評価項目としては、「管理職・従業員への教育」が提示されています。

●健康経営銘柄2022選定及び健康経営優良法人2022(大規模法人部門)認定要件

●健康経営優良法人2022(中小規模法人部門)認定要件

       

ヘルスリテラシー向上のための企業の取組みとは

ヘルスリテラシー向上のためには、社内で教育機会を設定することがあげられます。

生活習慣病などの病気の予防や生活習慣の改善、職場のストレス軽減など、健康保持・増進に関する教育の機会を、職場内で継続的に作っていくことが大切です。

そしてそれは経営層から一般社員まで、さらに家族を巻き込んだアプローチであるとさらに有効であるとされています。

また、健康プログラムを社内で実施するといった教育だけでなく、健康に配慮した職場づくりなど、健康を意識できる職場環境を整えていくこともヘルスリテラシー向上には必要です。

      
なお、AW Stageではeラーニングによるヘルスリテラシー向上研修を提供しています。

「食事・運動・睡眠」の健康の3原則をテーマに扱う1時間のeラーニングです。

健康に関する知識は個人差が大きいため、企業のヘルスリテラシー向上のためには健康意識の低い人の底上げが必要です。

健康維持増進のための基本的な知識を得るための教育プログラムです。

【ヘルスリテラシー向上研修】eラーニングフィジカルヘルス研修

   

 

社員のヘルスリテラシーを向上させ、一人ひとりのパフォーマンスが十分発揮できる職場づくりを目指していきましょう。