2021.08.06 健康経営コラム

【健康経営を評価・認定する制度】健康経営銘柄・健康経営優良法人

健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。

大企業のみならず中小企業でも認知拡大され、健康経営に取り組む企業は大幅に増加しています。

健康経営に対して優れた取り組みを行っている企業を評価・認定する様々な制度があります。

その中で最も広く知られているのが、経済産業省が認定する「健康経営銘柄」と「健康経営優良法人認定制度」です。

健康経営銘柄

経済産業省と東京証券取引所が共同で実施している認定制度で、東京証券取引所の上場企業の中から、健康経営において優れた取り組みを行っている企業が選出されます。

2015年に開始された制度で、1業種1社が基本となりますが、2019年から1業種につき複数社選出されることもあり、「健康経営銘柄2021」では29業種48社が選定されています。

健康経営銘柄に選定される企業は、日本企業においてまさに健康経営を代表する企業と言えます。

健康経営を拡大普及していくアンバサダー的な役割となり、健康経営を実践することで生産性向上や業績向上にいかに貢献するかを積極的に発信していくことが求められています。

健康経営優良法人

健康経営優良法人認定制度とは、職場の健康課題に対する取組みや健康増進の取組みを積極的に行っている企業を認定する制度です。

健康経営に取り組む優良な法人として見える化することで、社会的評価を受けやすい環境を作ることを目的とした制度です。

健康経営に取組む企業は、その先にこの健康経営優良法人認定を目指す企業が多いと思われます。

健康経営優良法人は、大規模法人部門と中小規模法人部門の2つの部門に分かれ、それぞれの評価基準をクリアすると認定されます。

さらに、大規模法人部門での上位500社を「ホワイト500」、中小規模法人部門での上位500社を「ブライト500」として認定され、より高いレベルで健康経営を行っている企業として認知されることになります。

認定数と申請数の推移がこちらです。

↑ 上のグラフのとおり、年々認定数、申請数ともに大幅に増加していることがわかります。

企業イメージアップ 定着率や採用にも〇

健康経営優良法人認定されると企業イメージがグンとアップします。

ブラック企業と言われる企業もある中で、健康経営に取り組んでいる会社は「社員を大切にする会社」ということが言えます。

社員を大切にする会社、それは社員にとっては、この会社で頑張ろうというモチベーションとなり、意欲ややりがいが持てるようになり、社員の定着率につながります。

そして社外からも健康経営の取組みは評価され、採用活動においても有利となります。

就職活動中の学生へのアンケートで、企業を選ぶポイントの1位は「会社の雰囲気が良い」という報告があります。(※日本商工会議所「人手不足等への対応に関する調査」2018年6月)

働く環境を整え、雰囲気の良い職場であることをアピールできれば、優秀な人材の採用にもつながります。そして雰囲気の良い職場であれば、離職者も減少し定着率も高まると考えられます。

そこで働く社員がいかに働きやすい職場環境を作り出せるか、それはまず第一に社員が心身ともに健康であることが重要です。

心身が健康であり、健康的な働き方ができれば、自然とコミュニケーションも増え、お互いが協力しあえ風通しの良い職場が生まれます。

健康経営とは、社員の健康増進が最終ゴールではありません。

社員が健康であることで、一人ひとりのパフォーマンスが向上し、生産性が向上し、その結果、会社の業績が向上したり企業価値が向上する、これら一連の流れの先に、会社の持続的成長があります。

上記制度以外にも、健康経営に関する評価制度は複数あります。

安全衛生優良企業公表制度

厚生労働省が認定する、社員の安全・健康対策に積極的に取り組み、高い安全衛生基準を維持・改善している企業を評価する制度です。

DBJ健康経営格付融資

日本政策投資銀行(DBJ)が従業員の健康への配慮に関して、優れた取り組みを行う企業を評価・選定し、格付け融資を受けることができる制度です。

また各地域による独自の取組みも行われています。