【健康経営】最初に目指すべき定期健康診断受診率100%
従業員の健康管理は企業にとって必要不可欠です。
その中でも健康診断は、従業員の健康を守るための基本的な取り組みとなります。
健康診断の実施は労働安全衛生法に定められており、企業は従業員に対して医師による健康診断の実施義務があり、従業員は企業が行う健康診断の受診義務があります。
定期健康診断の受診率100%達成を目指そう
健康経営において、まず1番はじめに目指すべきことが、「定期健康診断の受診率100%達成」を目指すことです。
「健康経営優良法人」の認定を受けるためにも、受診率(実質100%)はぜひ押さえておきたいところです。
従業員にとって、健康診断を受診することで自分自身の健康状態を把握し、今後の健康維持増進につなげていくことができます。
自分の体は1つしかありません。一生付き合っていく体です。長く健康であり続けるためには健康診断が重要です。
健康診断を受診することで、体の状態は良いのか、何か問題はあるのか、問題があればどこが悪いのか、早期に対処し、深刻な状態にならないように治療、改善していくことができます。
また、企業にとって、従業員が体調が思わしくない状態で仕事をしていてもパフォーマンスが落ち、生産性は低下し、業績にも影響を及ぼします。
健康経営を実践する上でも、企業と従業員が協力しながら健康診断を実施・受診していくことは、最低限必要でありながら最重要な取り組みであると言えます。
健康診断は従業員の健康を企業が守るという企業の責任なのです。
法令に基づく健康診断の種類
健康診断には通常の定期健診以外にも、下記にあげられる様々なものがあり、全てにおいて実施義務が課せられています。
なかでも定期健康診断はすべての従業員が対象となり、年1回以上実施する必要があります。
- 雇入れ時健康診断
- 定期健康診断
- 特定業務従事者の健康診断
- 海外派遣労働者の健康診断
- 給食従事者の検便
- 各種有機溶剤に関する特殊健康診断
- 特定化学物質に関する特殊健康診断
- 電離放射線に関する特殊健康診断
- 粉じんに関連する特殊健康診断 など
<一般健康診断>
<特殊健康診断>
健診結果データを活用し健康増進活動に繋げる
健康診断を受診すればそれで終わり、というわけではありません。
受診結果をその後に繋げていかなければ、健康を確保することも健康増進にも活かすこともできません。
健康診断結果が会社に届いたら、受診者本人に結果を通知する必要があります。
企業側は健診結果を把握し、何か問題があれば産業医と連携しながら、必要な就業上の措置について取り決めていき、結果に基づき保健指導を行っていく必要があります。
さらに健診結果のデータを分析し、その企業独自の健康課題を抽出することで、その後の健康増進活動に活用していくことができます。
例えば、血糖値が高い人が多い傾向があれば、血糖値を低下させるための取組みとして、社内の自販機の内容をお茶類を多めにしたり、社食や社内で設置販売のメニューを低糖質のメニューに入れ替える、また血糖値上昇を抑えるには運動も適しているため、運動プログラムを実施するなど、様々な対策を講じることができます。
健康経営を進める上でも、企業と従業員が協力しあいながら、受診率100%を目指し取り組んでいきましょう。
次回は、受診率向上の具体的な取り組みについてご紹介したいと思います。